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「専攻科」について倉東だより 106号 P.6
 今年の6月に存廃問題で大きな動きのあった専攻科。これまでの流れと現在の状況の紹介とともに、知っているようで、実は良く知らない専攻科について、昨年度専攻科を担当されていた廣谷先生にお聞きしました。

「人間力」を育てる専攻科
 金銭面の負担が軽いということで専攻科は評価されるようですが、それだけではあまりに物足りないという気持ちがずっとありました。専攻科を塾と同じように考えていらっしゃる方も多いと思うのですが、倉東専攻科と塾は全く別のものだと私は感じています。専攻科では、受験のための点を伸ばすことに重点を置いているのではなく、学ぶ姿勢、人間力の育成を目標にしています。昨年は、現役生が学園祭を行っている間に「学び祭(まつり)」というものを開催しました。二十名ほどの代表が、各自の興味のあるテーマについて調べたことを二十分程度で発表するという企画ですが、現役生よりも格段にレベルが上がり、「貨幣論」、「宗教と歴史」、「統計学」、「遺伝子」、「相対性理論」…等々、発表を聞いているこちらのほうも脳をフル回転させていないととても追いつけないような内容でした。発表者は長い準備期間をとり、多量の本を読み、担当教員と深い議論を繰り返しました。聞く側も、短時間で様々な思考を聞き取るチャンスと真剣に耳を傾け、活発に質問をし、「学び祭」が終わった後でも、各テーマについて廊下で議論をし合っていました。これを境に、学ぶということの楽しさ、もっと知りたいという意欲が専攻科生たちに出てきたように思います。
茂木健一郎をうならせる
 秋には「脳科学者の茂木健一郎氏が米子に講演に来る!」という話をどこかから聞きつけた生徒が、講演会参加希望者を募ったところ、ほとんど全員が参加しました。講演会では、茂木氏はほとんど専攻科生たちに向かって話をしてくださり、質疑応答では、茂木氏をうならせるような質問をぶつけ、最後にはちゃっかりサインをもらい、とても有意義に講演会を過ごしている彼らを見て、私は感心しっぱなしでした。
 「学び祭」にしても、茂木氏の講演会にしても、受験勉強に無関係なことのように思われるかもしれません。しかしこれらは、社会や人間について深く思考するための基礎となるもので、「学力」がついたと本当に言えるのは、このような知的好奇心と学ぶ態度が育成されたことなのではないかと私は思います。
感謝の心で切磋琢磨
倉東だより 106号 P.6  専攻科の存続がどうなるのかという気流の中で、専攻科生自身が、県民の皆さんのおかげで勉強でき、チャンスをもらえているということをよく理解し、受験が近づくにつれ、日々を感謝しながら過ごしていることがよく伝わってきました。専攻科棟がいつも掃除されていてきれいだったことも、その現れの一つだと思います。
 東高卒業生だけでなく他校の卒業生も大勢いたのですが、周りの「学ぶ」という環境に影響されて ぐんぐん力を吸収し、東高卒業生もその姿に触発され、お互いによい相乗効果をもたらしていたと思います。最後には本当に「専攻科」という団体だった気がします。
 彼らにとっては、どれだけ貴重でかけがえのない一年だったことでしょう。彼らが専攻科を特別に思っていることは、大学に行った後も、連休、長期休暇の時期になると専攻科に戻ってくる元専攻科生の人数を見れば一目瞭然です。
 このような学びが展開されている場を今後も継続して提供してほしいと思っています。
(国語科 廣谷恵梨)

「専攻科存廃問題」の現状
−米子東、倉吉東は平成22年度末まで存続−
 平成17年9月定例会において、「県立高等学校専攻科の存廃に関する決議」が可決されました。
 「県立高校三校の専攻科について、平成17年度より1校当たり少なくとも19人減とし、平成20年度までに、専攻科を廃止する。ただし、中部地区については、私立予備校の現状を踏まえ、専攻科の存廃を含めて検討を進めること。」という内容でした。
●アンケートの実施〜中部としてのまとまり●
 平成19年9月に、育友会としても、この問題に対して生徒及び保護者の皆様と認識を深め、意見を集約する必要があると考え、アンケートを実施し80%以上の回答を頂き、約95%の存続希望のご意見を頂きました。(アンケートの結果は配布済みですが、育友会ブログに載せておりますので、そちらをご覧ください。)
 また、中部地区高等学校PTA会長会において、中部の高校(東高以外) から専攻科に10年間で311名入学しており、中部の高校の専攻科といえることから、中部が一つにまとまってこの問題に対応していくことの確認を得ました。
●教育長・議会への陳情●
 平成19年11月に、鳥取県高等学校PTA連合会として、教育長および議会に県内3校に設置されている専攻科の存続について、連合会会長と関係高PTA会長により陳情をされました。陳情書の内容は、平成20年度までに判断を行う、と発表のあった県内3校の専攻科を平成21年度以降も存続して頂くお願いで、以下の理由により、大学等への進学を目指す生徒たち、保護者にとってかけがえのない存在であるというものです
 (1) 経済的格差拡大の中での進路選択の拡大
 (2) 安心感のある学習環境・生活環境
 (3) 専攻科の優れた進路指導
 (4) 県内予備校の進路実績への不安
 (5) 県の公教育の独自性
 その後、議会では「研究留保」と決定され、引き続きこの問題については、継続して審査がされることとなりました。
●議会にて存続の可決●
 本年6月18日の鳥取県議会において、県立三高校の専攻科の存続陳情は不採択となりましたが、「倉吉東と米子東を2010年度末まで存続させ、その間に存廃を検討する」とした決議案が可決されました。県中西部は私立予備校のみでは浪人生に十分対応できないことと、経済の低迷と所得格差の拡大で県立高校授業料減免者の比率が5、6年前の2倍(20%以上) になっていること、家計の教育費の負担が重くなっていることなどが挙げられていました。
(徳安)

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