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 6月8日~9日にかけて、中部地区数学教員の研修の一環として、倉吉東高を会場に著名な数学者である志賀浩二先生をお招きしての、講演会及び生徒との対話会が開催されました。
 2日間の様子を当日参加された先生より寄稿いただきましたので、ご紹介いたします。
 先生は日本を代表する数学者であるとともに、東京工業大学を退官後は、『数学30講シリーズ』などの参考書や一般向けの啓蒙書も数多く著されています。
 教員を対象とした講演会においては、数学に没頭されていた頃を振り返りながら、現在の心境をもとに数学の面白さ、不思議さを広く伝えたいという想いを語られました。また、授業においていかに生徒の興味、関心を引き付けるか、その方法を具体的な例を挙げながら深い見識と経験をもとに話されました。中でも「あたたかさ、やさしさ」という表現で、数学や数学教育の持つ「人間を包み込む」楽しみについて語られたことが印象的でした。
 放課後には有志の生徒、翌日は「学び祭り」の特別公演として、専攻科生を対象に質疑応答の時間ももたれました。「対話」を好まれる先生ご自身のたっての希望でもあり、生徒にとっては直接質問にお答えいただける貴重な時間となりました。
志賀浩二先生講演志賀浩二先生講演
 生徒との懇談会での一問一答をご紹介します。
Q: 数学人生を支えたものは?
A: 中二の頃まで数学は不得意だった。
戦後、不得意なことをしようと数学を勉強し始めた。
のめりこんでいったきっかけは、妙なことを考えたから。
カントルの集合論(無限とは何か?) 
自然数 1 2 3 4・・・
 | | | |  "自然数と偶数は濃度が等しい"(1対1対応 写像)
偶 数 2 4 6 8・・・
  無理数 の全体は 1,2,3,・・・と番号を絶対につけられない
数式-1
「なぜ多いもの(無理数)がそれより少なくないもの(分数)で決められるのか?」
これに1年間費やしてしまった。カントルに誘われたようなもの。

Q:数学と物理の表現はどう違うか?(先生の著書を読んで)
A:数学   ―  Mathematics
(ピタゴラス)考えるべきもの
数学物理
古代ギリシア
BC400~
幾何△
イデア

思想を形で表す
数式-2現象世界の奥には
私たちがそれを統一的に
見る視点をおくことが
できるのではないか
ついでに
代数はどこで生まれたか?
→9世紀に生まれた。
 イスラム 砂漠の民アラブ
抽象 何もない形のない世界 → 代数(数字の世界)

Q:最近見つかった定理、昔からあるけれどまだ証明されていない定理は?
A:物理のように、無限は実証がきかないので、無限に関することは無数にある。逆に、証明することができないものの背景には無限が存在する。洞窟の奥にはどこまでも行けるけれど終わりにはたどり着かない。見えないものに誘われる。

Q:数式-3やπがいつか規則正しい数になるのではないか?
A:ない。それは有理数になってしまう。
(ペンを実際に動かして)今ペンがそこからここに動きました。と同時にもう一つ動いたものがありますがなんだかわかりますか?
時間です。
今まで表すことができなかった時間を数直線上に数として表現してしまった。

Q:代数と幾何が別々の場所で生まれてそれが合わさったときにどんな影響があったか。
A:よい質問です。
ヨーロッパ数学の始まり
デカルト 『方法序説』(1630年代)
『幾何学』方法論 数式-4
"図形ではなく方法がある"
図形を表す方法として代数を用いた。

Q:代数は実数での話し、虚数も幾何とつながっているか?
A:実数数式-5 自然数
負の数(これですら200年前には信じない人がたくさんいた)
実数 ⇒ 数直線上で表すことのできる点
複素数 2+3i i2=-1
1848年 ガウス
平面状で表すことのできる点
"量子力学の本質は複素数にある"

Q:数学を究めようと思ったら、他の学問も巻き込まないといけないのか?
A:大学で働いているときは、数学ばかりしていた。目の前にある難問を解くことだけしていた。辞めてから世界が広がった。


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2009/06/22(月) 12:05:23 | | #[ 編集]
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